はたんきょう(巴旦杏)

大阪近郊の鉄道(主に新線建設や計画)について

JR東海道線支線地下化・新駅設置工事

JR東海道線支線地下化・新駅設置工事が昨年の年末から始まり、今年の夏以降本格化している。

JR東海道線支線地下化事業」で配布されている資料を読むと、改めて興味深い工事だということがわかる。

昨年末に一番に着工された、グランフロント大阪北部近くの工事は、北2工区と呼ばれる工区で行われているもので、資料によると、ガス管を迂回させるために、先に地下化を完成させる必要があるためだという。

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それが完成したら、次は国道176号線のすぐ下あたりの工事を行う。これは、新大阪方面から地下へ潜ってゆく線路を建設する(北1工区)際の、仮線が横切るためのもの。

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2016年10月24日現在、北3工区(グランフロント大阪北館沿い)と駅部工区(うめきた広場西方)は未着工のように見える。その南の南1工区(九条西梅田線を斜めに横切って日本通運の施設があるところまで)はごく一部工事が始まっていて、これも下水管迂回のために、10メートルくらい?の区間だけ先行して地下線施設を作ってしまうらしい。

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南1工区の資料にはもう一つ注目すべき点がある。将来的になにわ筋線を接続させるためと思われる部分があることだ。

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おそらく一番大変な工事は南2工区ではないか。現在JR神戸線の下をくぐっている線路を、仮線を設置せずに直下に地下化するのだという。

私がこの事業の概要を初めて耳にした時、実は一番初めに疑問に思ったのがまさにこの、JR神戸線高架下から浄正橋踏切(JR環状線福島駅北隣)までの区間をどうするのかという点だった。個人的に一番あり得ると思ったのが「仮線を作って掘削するという一番オーソドックスな方式」、その次が「長期間運休して地下化」、一番可能性が低いと思ったのが「直下掘削」だったのだが、まさか可能性の低そうなのが実際に採用されるとは。(ちなみに、長期間運休の場合、はるかとくろしおは、関空方面から天王寺スイッチバックして平野駅から貨物線を通っておおさか東線に入り、(その頃までに完成しているはずの)おおさか東線新大阪駅まで来てそこで再度スイッチバックして京都へ向かうという運行経路を想定していた。安治川口駅への貨物列車は百済貨物駅止め)

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工法が直下方式だとわかった今、別の興味深い点が浮かんでくる。地下線を開削工法で作る場合、掘削する予定の場所に、あらかじめ金属の壁のようなものを埋めておく(土留め)のが普通である。だがJR神戸線高架下部分では、高さが制限されるため、長い杭を打ち込むことができない。継ぎ足しのできる杭を使うのだろうか。通常の場所なら巨大な杭打ち機で杭を打てば10メートルくらいの長さでもすぐに完了する。しかしもしそのような継ぎ足し杭をちまちま打つのであれば、相当時間がかかるのではないか(工程表を見ても、わずか40メートルくらい?の区間に一年半ほどの作業期間が割り当てられている)。

ひょっとしたら、JR東海道線支線地下化事業が全体で6年半もの時間を要するのは、この区間の作業に時間を取られるからなのかもしれない。

なお、この南2工区の作業工程表を見て気づいたことがある。工事の過程で東海道線支線を南に移す必要があるらしいが、その際、東海道線支線がJR神戸線の高架下をくぐった直後の部分が、現在よりも環状線の高架ぎわへ移動することになる。だが、その部分の環状線は、高架橋ではなく、なんと盛り土らしいのだ。だから盛り土の一部を壊しても土が崩れたりしないよう、盛り土に対して金属か何かで補強する工事をしているのだそうだ。

調べたところ、盛り土部分は100メートルほどの区間に限られている(筑前橋筋を乗り越える高架橋の西側から福島駅の東に連なる高架下商店街の手前まで)。近代的な大阪駅のすぐ近くに「原始的」な盛り土高架が残っていたとはおどろきだ。それにしても、環状線を作る過程で、どうしてコンクリート製の高架橋を作らなかったのだろう?